WEB小説の異世界転生ブームもあり、最近は漫画でも異世界ファンタジー(ハイファンタジー)の作品が脚光を浴びている。
というわけで、そんな中でもKindleで読めるおすすめな異世界漫画を紹介。
「小説家になろう」などのWEB小説コミカライズだけでなく、ここ最近のハイファンタジー作品も扱っていく。
- おすすめ異世界ファンタジー漫画
- 【1位】ダンジョン飯
- 【2位】異世界おじさん
- 【3位】Lv1魔王とワンルーム勇者
- 【4位】葬送のフリーレン
- 【5位】とんがり帽子のアトリエ
- 【6位】図書館の大魔術師
- 【7位】異種族レビュアーズ
- 【8位】ライドンキング
- 【9位】幼女戦記
- 【10位】転生したらスライムだった件
- 【11位】薬屋のひとりごと
- 【12位】ゴブリンスレイヤー
- 【13位】ティアムーン帝国物語
- 【14位】本好きの下剋上
- 【15位】乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…
- 【16位】異世界居酒屋「のぶ」
- 【17位】無職転生
- 【18位】ヘテロゲニア リンギスティコ
- 【19位】便利屋斎藤さん、異世界に行く
- 【20位】魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?
おすすめ異世界ファンタジー漫画
【1位】ダンジョン飯
モンスターを調理しながらダンジョンを攻略するリアルなグルメファンタジー!
死んだ仲間を救助&蘇生するためダンジョンに再挑戦したいが、金がなくて食料を用意できない。
そこでライオスは倒した魔物を食べながら進むことを決意する。
画像は『ダンジョン飯』1巻。スライムの構造とその調理法。
ハイファンタジー世界のモンスターの生態を考察し、そのモンスターをリアルに調理して食べるという、ありそうでなかったファンタジーグルメ漫画。
九井諒子氏はそういった現実世界とファンタジー世界の日常を融合させるのがうまい。
主人公たち冒険者一行はダンジョンにもぐり、モンスターと戦い、そのモンスターの生物としての弱点を突いて倒す。
そうした戦い方もまた一種のリアリティがあるが、それもモンスターの生態をしっかり考察しているからできること。
そして倒したモンスターは調理して食べる。
モンスター料理というとゲテモノに思われるかもしれないが、現実の料理に当てはめて調理されているため、これがまた美味しそうなのだ。
画像は『ダンジョン飯』1巻。人喰い植物のタルト。
ついでにレシピも掲載されている。
残念ながらこちらの世界では作れないけれど。
ストーリーはコメディとしてクスッと笑えるところが多い。
途中からはシリアスなダンジョン攻略要素が強くなってくるものの、そのダンジョン設定もまたリアリティのある考察がなされているため、それはそれで面白い。
大人向けのファンタジーとして文句なしでオススメ。
【2位】異世界おじさん
(※ローファンタジーかもしれないけど、まぁ異世界漫画ということで)
異世界帰りセガ好きYouTuberおじさんのファンタジーコメディ!
なんとか現実世界に帰ってきたら、現実世界では17年間昏睡状態になっており、さらに親族一同に引取を拒否される。
それでもめげずに魔法の力を活用してYouTuberになり、甥っ子と共同生活をしてゆく。
画像は『異世界おじさん』1巻。異世界へ行ったら醜い容姿からオークと勘違いされ、殺されかけた悲惨な話をサラッとするおじさん。
昨今流行の異世界転移・転生モノのお約束を逆手にとったコメディ(ラブコメ)漫画。
異世界から現実世界に帰還したおじさんの日常や、異世界での過去話が描かれる。
主人公は17歳のときに異世界に召喚され、それから17年間冒険をする。
しかし帰還してみたら、現実世界ではトラックにはねられて17年間昏睡状態。
しかも親族は昏睡状態の主人公の処遇を巡って争ったあげくの一家離散。
という辛い境遇ながらも、なんだかんだYouTuberとして甥っ子の青年と楽しく共同生活をしていく日常コメディ。
17年間異世界にいた浦島太郎状態のおじさんによるジェネレーションギャップネタや、セガがゲームハード競争に参入していた時代に生きたセガ信者のおじさんによるセガネタが面白い。
また日常生活の合間に異世界で起きた出来事がポツポツと語られていくが、その内容は容姿の違いからオークと間違えられて殺されかけたりと悲惨なもの。
さらに異世界で助けたツンデレヒロインから好意を寄せられるが、2000年当時に「ツンデレ」という概念がなかったせいで、おじさんはツンデレヒロインの想いに気づかずフラグをへし折っていくのも面白い。
まぁ最近はラブコメ要素が強くなっている気がするけど、個人的に初期の頃のギャグが結構笑えた。
たぶん30~40代くらいの人に刺さると思う。
【3位】Lv1魔王とワンルーム勇者
落ちぶれた勇者と復活した魔王の同居ファンタジー!
再戦を望み急いで復活した魔王は、幼い姿のまま勇者の家へ向かうも、そこにいたのは用済みになり立場を追われ、落ちぶれたやる気のない中年男だった。
画像は『Lv1魔王とワンルーム勇者』1巻。アパートで暮らす落ちぶれた勇者。
クオリティの高すぎるポケモンのゴルダック同人で話題になったtoufu氏による、魔王を倒した後の勇者を描いた漫画。
主人公は10年前に魔王を倒した勇者。
しかし持てはやされたのは最初だけで、ハニートラップ(たぶん)やら薬物疑惑やらで人間社会から排除されてしまい、すっかり嫌気が差してアパートでニート生活を送るようになる。
一方で魔王は死んでも蘇る存在だが、勇者との再戦を楽しみにしすぎて、急ぎ弱体化した幼い姿のまま復活を果たしてしまう。
魔王は落ちぶれた現在の中年勇者を見てガッカリするが、なんだかんだでそのまま勇者のアパートに居座り、同居することになる。
という中年勇者と幼女魔王の同居コメディから始まりながら、落ちぶれた勇者が再び立ち上がる熱い物語が展開されていく。
設定自体は斬新なものではなく、ストーリーも王道。
しかし昨今の異世界漫画の中でも頭一つ抜けて絵もストーリーもうまいし、読みやすい。
とても「漫画力」が高い漫画だ。
【4位】葬送のフリーレン
魔王を倒したその後の世界を旅する温かい冒険ファンタジー!
勇者たちが老いる中、仲間のエルフの魔法使いフリーレンは老いることなく旅を続けてゆく。
画像は『葬送のフリーレン』1巻。50年後の勇者パーティ4人。
少年サンデー本誌で異色の異世界漫画として注目を集めている冒険ファンタジー漫画。
舞台は「勇者たちが魔王を倒したその後」の世界。
普通はそういった設定だと用済みになった勇者が迫害されたりするものだが、そのようなこと特にはなく、普通にハッピーエンドで勇者の冒険は終わる。
しかし勇者一行のエルフだけは例外で、人間とは寿命が違い、1000年以上生きるため、その後もまだまだ旅が続いていく。
本作はそのエルフを主役に、老いた勇者たちとの再会と別れや、新たな仲間たちとの出会い、そしてかつて冒険した地をまた訪れる旅が描かれる。
「『ロードス島戦記』でパーンが死んだ後のディードリットの物語」と例える人もいたが、まぁだいたいそんな感じか。
ほろっと来る温かいエピソードが多く、九井諒子氏の作品のような大人好みのファンタジーになっている。
【5位】とんがり帽子のアトリエ
絵本のような雰囲気の王道魔法使いファンタジー!
しかし魔法使いにあこがれる村の少女・ココは、村を訪れた魔法使いの青年・キーフリーが魔法を使うところを見てしまい・・・・・・。
画像は『とんがり帽子のアトリエ』1巻。絵と世界観が魅力。
アメリカのアイズナー賞最優秀アジア作品賞を受賞するなど、海外でも評価されているファンタジー漫画。
独特の魔法使いの世界と、魔法使いとして学ぶ少女たちの成長が描かれる。
世界観は、特殊なインクを使って魔法陣を描けば誰でも魔法が使えるという設定。
そのことを魔法使いたちは秘密にしており、魔法を描くところを魔法使いでない人たちには見られないようにしている。
そういった世界観もユニークなのだが、何よりその世界観を表現した絵が素晴らしい。
作者の白浜鴎氏は元々イラストレーターとして活動していて、アメコミの表紙などを手がけていたそうだが、日本ではなかなか見られない独特のタッチで、まるで絵本というか海外のファンタジー児童文学のような雰囲気が出ている。
画像は『とんがり帽子のアトリエ』1巻。絵が繋がっているコマ割りとしてSNSで話題になった。
コマ割りなどもチャレンジ的で見ていて面白い。
そういったアートとしてもかなりクオリティの高い漫画だと思う。
【6位】図書館の大魔術師
緻密に描き込まれた美麗な司書ファンタジー!
そんなシオの村に、魔道書の回収に訪れた司書の女性・セドナが現れる。
その出会いによりセドナに憧れたシオは、司書になることを決意する。
画像は『図書館の大魔術師』1巻。装飾品などの描き込みも魅力。
『7thGARDEN』を連載していた泉光氏による司書ファンタジー漫画。
図書館を題材とした本と魔法の世界が描かれる。
舞台は中世の中東あたりだろうか(たぶん)。
ハイファンタジーというとヨーロッパに偏りがちなので、珍しい舞台設定かと思う。
ストーリーは本好きな美少年が、自分を助けてくれたカッコイイお姉さんに憧れて、本の都にある中央図書館の司書を目指すお話。
一種の王道ストーリーだけど、その話を1~2巻ごとに綺麗にまとめる構成力が素晴らしい。
あまりにも綺麗にまとめてくるため、単行本派の人たちには完結か打ち切りかと心配されることがままあるほど。
そして絵の描き込みも精微。
森薫氏の『乙嫁語り』とか好きな人は気に入るかと思う。
【7位】異種族レビュアーズ
風俗店レビューを通して異種族の価値観の違いなどを描いた怪作ファンタジーコメディ!
人間の冒険者・スタンクは仲間のエルフやハーフリング、天使たちと共に、様々な種族が働く風俗店を利用し、それを某ゲーム誌風クロスレビューで評価してゆく。
画像は『異種族レビュアーズ』1巻。500歳のエルフと50歳の人間のどちらがいいかという種族ごとの価値観の違い。
アニメが放送中止になるなど、何かと話題になった異種族風俗コメディ漫画。
舞台は様々な種族が共生するRPG的なファンタジー世界。
そこで様々な種族で構成される冒険者の主人公パーティ一味が、エルフやフェアリー、獣人、サラマンダー、パペットゴーレム、有翼人、悪魔、ケンタウロスなどなどの各種族の風俗店を利用し、それをファミ通風のクロスレビューで感想を書いていくという流れ。
例えば50歳の人間と、500歳でも見た目が若いエルフのどちらがいいかという話で、人間視点だと見た目が若いエルフを好むが、エルフ視点だと年老いたエルフより年齢が若い50歳の人間のほうを好む。
そういった各種族の価値観の違いなどが面白おかしく描かれている。
とにかく作者の発想が天才的で、なるほどと感心してしまうネタが多い。
まぁこれはこれでファンタジーの世界観を掘り下げているとも言える。
【8位】ライドンキング
プーチンっぽい大統領が異世界転移する冒険ファンタジー!
ある日テロリストの大型トラックに襲われるも、背負い投げでそれを撃退する。
しかしその衝撃で自身の巨大石像が頭上に落下してしまい、目覚めると中世ファンタジー風の異世界へ転移してしまっていた。
画像は『ライドンキング』1巻。昨今の異世界漫画の中で抜きん出て画力が高い。
『空手小公子 小日向海流』などの格闘技漫画で知られる馬場康誌氏による異世界転移ファンタジー漫画。
主人公は数々の格闘技に精通したプーチンっぽい大統領。
ある日、大型トラックに乗ったテロリストに襲撃されるが、持ち前の驚異的な身体能力で返り討ちにする。
しかしそのとき崩れた自分の巨大石像に頭を打ち、なぜか異世界へ転移してしまう。
そうしてプーチンっぽい大統領は自身の肉体と格闘技術を武器に、冒険者としてわりと楽しく活躍していく。
主人公のモデルはどっからどう見てもロシアのプーチン大統領なのだが、そのプーチンっぽい大統領がウキウキと楽しく異世界で冒険する様が面白い。
また確かな筋肉と格闘技術に裏打ちされた実力があるのと、人格者なのも合わさって、好感の持てる主人公になっている。
そしてとにかく画力が高い。
長年格闘技漫画を描いてきた作者なだけに、特にアクション(格闘)と筋肉描写はほかの異世界漫画より頭ひとつふたつ抜きん出ている。
世界設定も丁寧に練られており、純粋にクオリティが高い。
【9位】幼女戦記
ドイツ視点世界大戦風の戦記ファンタジー!
魔法の力を持ったターニャは幼くして士官学校を卒業し、将校として戦争に駆り出されて戦功を立ててゆく。
画像は『幼女戦記』19巻。おっさん比率の高い作品。
「Arcadia」に投稿されていた比較的古い異世界転生小説のコミカライズ。
タイトルに反して真面目な戦記ファンタジーで、ドイツ視点の第一次・第二次世界大戦をモデルとした小銃と魔法の戦争が描かれる。
主人公は合理主義者のサラリーマン。その合理的思考により死後に神を否定したがために、魔法が存在する20世紀初頭のヨーロッパ風の異世界へと転生させられてしまう。
そうして主人公は魔力適正があったことから幼くして士官学校へと進み、後に魔導大隊を率いて大戦の最前線へと送り込まれ続けることとなる。
原作はライトノベルというよりヘヴィノベルといった内容で人を選ぶが、それに比べて漫画版は大変読みやすい・分かりやすい。
そのうえ絵が綺麗で、月刊誌なのに刊行速度は週刊誌並みに早い。
とまぁ、ものすごく作画担当に恵まれている。
戦記物が好きな人には安心してオススメできる。
【10位】転生したらスライムだった件
なろう人気No.1のスライム転生ファンタジー!
リムルは相手を捕食するスキルで強くなり、さらにゴブリンの集落を救ったことでゴブリンたちに崇められる。
そうしてリムルは魔物たちと国造りを行ってゆく。
画像は『転生したらスライムだった件』1巻。主人公のスライム。
累計発行部数が2000万部を突破した、「小説家になろう」発で最も成功している異世界転生ファンタジーのコミカライズ。
ゲーム風の異世界を舞台に、スライムに転生した日本人の国造りと戦いが描かれる。
チートスキルでの無双系だが、最初から最強なわけではなく、敵との戦いを経ながら仲間たちと共に強くなっていく。
そういう意味では王道のバトル物ともいえる。
そして魔物たちの街や国を造る「国造り」の要素も大きい。というか戦闘よりそちらがメイン。
そうした街・国の発展が面白い。
また漫画版に関しては『幼女戦記』と同様に作画担当にかなり恵まれているので読みやすい。
【11位】薬屋のひとりごと
薬屋の少女が宮廷の事件を解決する中華ファンタジー薬学ミステリー!
年季が明けるまで目立たず働こうとする猫猫だったが、宮廷で起きた事件を解決してしまったことから、美形の宦官・壬氏の目に留まることになる。
画像は『薬屋のひとりごと』1巻。主人公のふたり。
「小説家になろう」発の中華ファンタジー薬学ミステリー・コミカライズ。
女性向けのなろう作品としてはいま一番売れている人気作。
舞台は中世中国風の架空世界。
後宮で下働きをする元・薬師の主人公は、後宮で起きたとある事件を見過ごせずコッソリ解決するが、それがもうひとりの主人公ともいえるワケありの美形宦官にバレてしまう。
そしてその美形宦官に興味を持たれたことにより、その後もたびたび事件に巻き込まれていくという物語。
恋愛要素は多少あるものの、主人公が少女らしくない薬オタク(毒オタク)のユニークなキャラクターなこともあり、男女ともに読みやすいミステリーになっている。
漫画も掲載紙的には少女漫画というより青年漫画だろうか。
ちなみに漫画版は「ビッグガンガン」と「サンデーGX」の両方から、同じ本編の内容のものが刊行されている。
ビッグガンガン版のほうが絵は今風でウケがいいが、サンデーGX版のほうが刊行ペースは早い。
まぁ両方読む人も多いかもしれない。
【12位】ゴブリンスレイヤー
ゴブリンのみを狩り続ける冒険者のゴブリン特化ファンタジー!
弱小モンスターと侮るが、そこにはゴブリンの狡猾な罠が仕掛けられており、パーティは一人を残して全滅してしまう。
しかしそこに現れたのは、「ゴブリンスレイヤー」と呼ばれる、粗末な鎧を身にまとった男だった。
画像は『ゴブリンスレイヤー』5巻。敵はほとんどゴブリン。
AA作品の「やる夫スレ」から始まったダークファンタジー・コミカライズ。
当時やる夫スレで読んでいたけど、まさかここまでの人気作になるとはとビックリ。
で、題材は最下級のモンスターとして扱われる「ゴブリン」。
そのゴブリンを倒すことだけに特化したひとりの冒険者を描いた物語となっている。
ゴブリンは1体1体は弱いが、罠などを用意して策を弄してくるため、舐めてかかってゴブリンたちの餌食になる新米冒険者も多い。
しかし主人公はゴブリンに対する復讐心から、ゴブリンを倒すことだけに執着し、ゴブリンを舐めてかからず決して油断をしない。
そうして対ゴブリンの数々の戦術を用いて、淡々とゴブリンのみを狩り続けていく。
そんなハードボイルドな主人公がカッコイイし、徹底的にゴブリンの設定を掘り下げている点でもハイファンタジー好きにオススメできる。
【13位】ティアムーン帝国物語
未来のギロチン処刑を回避するために奔走する歴史改変コメディ!
ミーアは第二の人生でギロチンを回避するため、帝政の建て直しを決意する。
画像は『ティアムーン帝国物語』1巻。未来の処刑を回避するため頑張ろうとする主人公。
「小説家になろう」発の破滅回避コメディ・コミカライズ。
いわゆる「悪役令嬢モノ」の派生作品で、過去に戻った主人公が未来の破滅を回避しようと奮闘する様が描かれる。
主人公は「パンがなければ肉を食べればいい」と言っちゃうマリー・アントワネット系のわがままお姫様。
そんなわけで色々あって20歳でギロチン処刑をされてしまうのだが、気がつけばなぜか12歳の頃に逆戻り。
というわけで未来のギロチン処刑を回避するため、歴史を改変していく物語となっている。
まぁこの流れ自体は悪役令嬢モノでよくある話なのだが、この作品は主人公が可愛らしいキャラクターなのが良いところ。
愛らしい小物とでも言うべきか、それが漫画でよく表現されている。
主人公の顔芸も頻出するがこれまた面白い。
ほかにもギロチンがコミカルなマスコットキャラクターとして度々コマに登場するなど、漫画的表現がうまい。
これも作画担当に恵まれた良コミカライズのひとつ。
【14位】本好きの下剋上
中世ヨーロッパ風の異世界で現代知識を駆使して本を作る転生ファンタジー!
しかしその世界の文明は中世ヨーロッパくらいで、本は高価で入手が困難。
そのことに絶望したマインは、自身の手で本を作ることを目指してゆく。
画像は『本好きの下剋上』第一部2巻。一歩一歩本作りを目指す主人公。
「小説家になろう」発の異世界転生ファンタジー・コミカライズ。
現代知識を活かして本作りなどをしていくお話で、児童から中年の大人まで幅広い層に人気がある。
主人公は本好きの範疇を超えた本狂いの女性。
死んで中世ヨーロッパ風の異世界の平民に転生するが、そこは本が高価で、貴族でもない限り本が読めない。
そのため主人公は自ら本を作ることを決意する。
という本作りがテーマの作品。
まぁ途中からは本作りというより、貴族社会がメインになってくるけれど。
作者も注意書きをしているところだが、序盤の主人公の性格にかなり難があり、そこで評価が賛否大きく分かれている。
しかしながら本作りというテーマは目の付け所が良く、大変興味深く読める。
また本作り以外の点でも王道サクセスストーリーとして良く出来ている。
ちなみに漫画版は、第二部と第三部が別々の作画担当により同時並行で連載されるという変わった形式で刊行されている。
そのため第一部と第二部は同じ作画だが、第三部は違う人が作画を担当している。
【15位】乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…
乙女ゲーム転生の悪役令嬢コメディ代表作!
ゲームでのカタリナはヒロインに嫌がらせを行うライバルキャラで、最終的には国外追放か死亡という破滅エンドになってしまう。
そのためカタリナは未来の破滅を回避するために奔走することとなる。
画像は『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』1巻。自身の転生先がゲーム世界の悪役令嬢と気づく主人公。
「小説家になろう」発の悪役令嬢転生コメディ・コミカライズ。
WEB小説の人気ジャンルのひとつ「悪役令嬢モノ」の中でも特に人気の高い作品。
主人公は公爵家のわがまま一人娘だったが、8歳のころに石につまずいて頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、ここが乙女ゲームの世界で、自分はライバルキャラの悪役令嬢に転生したことに気付く。
しかも最悪なことに、その悪役令嬢は最終的に国外追放か死亡という酷い破滅エンドを迎えるため、なんとしてでもその破滅を回避しようとする。
という悪役令嬢モノのテンプレ展開だが、主人公の性格が明るく、また天性の人タラシで無自覚にゲームキャラを攻略していくのがコメディとして面白い。
話もテンポ良く進んでいくため、ストレスなくスラスラ読める。
漫画版の作画はイラストレーターの方がそのまま担当しているが、特に漫画として問題ないし、絵柄が共通なので原作読者にも違和感がないかと思う。
ちなみにスピンオフ漫画の『絶体絶命!破滅寸前編』は、破滅まであと1年もないという破滅寸前でのスタートというIFストーリーになっている。
これはこれで面白い設定だ。
【16位】異世界居酒屋「のぶ」
日本の居酒屋料理に異世界人たちが驚愕するグルメファンタジー!
その「のぶ」の料理の美味しさに、異世界の住人たちは次々と虜になってゆく。
画像は『異世界居酒屋「のぶ」』1巻。舞台となる居酒屋と異世界人たち。
実写ドラマ化までされた「小説家になろう」発のグルメコメディ・コミカライズ。
なぜか異世界と繋がっている日本の居酒屋を舞台に、中世ヨーロッパ風の異世界人たちが現代日本料理に感動するエピソード集となっている。
要は『テルマエ・ロマエ』の日本食版。
異世界人たちが居酒屋で「トリアエズナマ」と注文する姿にほっこり。
心温まる作品で安心して読める。
【17位】無職転生
やり直しの人生を描いた異世界転生ファンタジー!
ルーデウスは前世での後悔から、やり直しの人生を真面目に生きることを決意する。
画像は『無職転生』1巻。「家族愛」がテーマのひとつ。
「小説家になろう」で長期間1位に君臨していた異世界転生の代表作、のコミカライズ。
異世界へ転生した主人公の人生を描いた大河ファンタジーとなっている。
主人公は34歳無職ニートのダメ人間で、なんやかんやでトラックにはねられて、とある理由で異世界に転生してしまう。
そこで前世での後悔を振り返り、新たな人生では懸命に生きることを誓う。
という序盤の流れ自体はよくある「小説家になろう」のテンプレだが、まぁそのなろうテンプレの先駆的存在なのでそこは仕方がない。
とはいえ主人公がチートでも最強でもないところは最近の作品との違いだろうか。
全体を通した構想のクオリティは抜きん出て高く、最初は地味な始まりながらも、次第に壮大で先が気になる物語になっていく。
【18位】ヘテロゲニア リンギスティコ
異種族とのコミュニケーションを描いた言語学入門ファンタジー!
ハーフワーウルフの少女・ススキと共に魔界を旅し、様々なモンスターと懸命に交流をしてゆく。
画像は『ヘテロゲニア リンギスティコ』1巻。ワーウルフのコミュニケーション。
ファンタジー世界でのコミュニケーションを扱った異種族言語学入門漫画。
新人研究者の人間の青年が魔界で悪戦苦闘しながら、人間の言葉が通じないモンスター種族たちとコミュニケーションを図っていく様が描かれる。
登場するのはワーウルフやスライム、リザードマン、ハーピーといったファンタジーでお馴染みのモンスター種族。
そういった種族たちの発音・発声、挨拶などのコミュニケーションの取り方、文字、生態、文化などが掘り下げられていく。
『ダンジョン飯』とかが好きな人ならハマりそうな大人向けのファンタジーの良作だ。
【19位】便利屋斎藤さん、異世界に行く
異世界転移した鍵屋が冒険者仲間をサポートするショートストーリー集!
サイトウは便利屋従業員として働いていた経験を活用し、鍵開けのノウハウで宝箱を開けたり、カバン修理のスキルで仲間の防具を直したりと、冒険者として仲間を日々サポートしてゆく。
画像は『便利屋斎藤さん、異世界に行く』1巻。1話数ページのショートストーリーとなっている。
SNS発の異世界ファンタジー漫画。
1話数ページというショートストーリーの形で、主人公パーティを中心とした冒険者たちの日常が描かれていく。
主人公は日本の便利屋で働いていた普通の青年。
とある理由で異世界に召喚されてしまい、そこで出会った冒険者たちとパーティを組むことになる。
主人公は昨今の作品にしては珍しく何のチート能力も持たないし、そのうえ戦闘能力すらない。
しかし便利屋として培った鍵明けの技能などを活かして地味ながらも仲間をサポートしていき、パーティにとって欠かせない存在となっていく。
ウィザードリィ風の世界観でRPGあるあるネタを交えながら、そんな主人公の心温まるエピソードが展開されていく。
こちらも大人向けのファンタジーとして良い作品。
【20位】魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?
口下手な魔術師と奴隷エルフのハートフルラブコメ!
そして城へ連れ帰ったザガンだが、接し方がわからず、さらに口下手なため誤解を与えてしまう。
画像は『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』1巻。片思い相手への接し方に戸惑う主人公。
ライトノベルが原作のラブコメファンタジー。
口下手で誤解されがちな魔術師の青年と、かわいそうな奴隷少女の純愛模様が描かれる。
タイトルでWEB小説っぽく見えるがそうではなくて、ベテラン(?)作家による商業ライトノベルの作品。
最強系主人公の活躍を交えながら、ニヤニヤするラブコメが展開されていく。
今風の異世界ファンタジー+ラブコメが読みたい人にオススメ。
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