【完結済み】長編漫画おすすめランキング30選【大人買い用】

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Kindleで読める大人買いにおすすめな完結済みの長編漫画をランキング形式で紹介。

扱うのは11巻以上で完結している作品(逆に10巻未満の短編はコチラ)。
バトルやスポーツ、ラブコメなど、なるべく幅広いジャンルから選んでいる。

またランキングはストーリーの完成度や画力の高さ、斬新な設定・世界観、万人向けかどうかなどを基準にしている。

完結済みの長編漫画おすすめランキング

【1位】ヒカルの碁

一大囲碁ブームを巻き起こした少年ジャンプの傑作囲碁漫画!

小学生の少年・ヒカルは祖父の蔵で古い碁盤を見つけたことにより、平安時代の天才囲碁棋士の霊・藤原佐為に取り憑かれてしまう。
ヒカルは佐為にせがまれて嫌々ながらも碁を始めるが、同い年でプロ級の実力を持つ少年・塔矢アキラに刺激され、次第に碁の魅力に目覚めてゆく。


画像は『ヒカルの碁』13巻。囲碁のルールがわからなくても楽しめる演出になっている。

最強棋士の霊に取り憑かれた少年の成長と活躍が巧みに描かれる少年ジャンプで異色の囲碁漫画。
ジャンプ作品の中でも特にストーリーの完成度が高く、内容的にも子供から大人まで幅広い層にオススメできる。

囲碁はルールがわからない?
大丈夫、ルールを知らなくても一切まったく問題ない。

ほったゆみ氏と小畑健氏の名コンビが白熱の対局を演出してくるため、ルールがわからなくても楽しめるようになっている。
このコンビは「何をやってるのかわからないけどスゴイ!」という描写が驚くほど上手い。
そういった描写もあって、さながらバトル漫画のような熱い展開になっている。

またストーリーも熱く、ライバルたちとの切磋琢磨を通して主人公が成長していく過程が丁寧に描かれる。
初心者の主人公は最初、最強囲碁棋士の霊の力(チート)を使って勝つのだが、同い年のライバルに感化され、そのチートを使わずに自分の力でイチから強くなることを決意する。
この「チートを与えられたのにそれを使わず、努力して自分の力で強くなる」というのは、いま考えると変則的で面白い展開だ。

そして登場するプロを目指す少年少女たちや、プロの世界で生きる棋士たちひとりひとりに人間味があり、それゆえに感情移入する人間模様にもなっている。

囲碁・将棋などのマインドスポーツを題材とした作品で、これ以上のものは今後もう出ないだろうと思える傑作だ。

【2位】鋼の錬金術師

錬金術師たちのスチームパンク・ダークファンタジー!

幼くして母親を亡くした天才兄弟のふたりは、母親を蘇らせたいがために錬金術で禁忌の人体練成を行う。
しかしその代償は大きく、兄は片手と片足を、弟は全身を失ってしまう。
そうしてふたりは失ったものを取り戻すため、伝説の「賢者の石」を探す旅に出る。


画像は『鋼の錬金術師』1巻。主人公の兄弟2人。

手塚治虫文化賞新生賞星雲賞を受賞したファンタジー漫画。
スチームパンクな近代世界を舞台に、錬金術師兄弟の冒険と戦いが描かれる。

早い話が錬金術という名の異能力バトル。
ただしバトルがメインというよりも、国を揺るがす壮大な陰謀に巻き込まれ、それに立ち向かうというサスペンス要素が強い。なので大人でも楽しめる。

そしてそのストーリーの完成度がこれまた高い。
全27巻もの長編でありながら、最初から最後まで綺麗に話が繋がっている
主人公たちの強さもインフレしないし、登場するキャラクターはモブキャラを含めてみんな最後まで活躍する。
「こんなモブキャラがここまで活躍するなんて・・・・・・」とホント驚かされる。

さらに付け加えるなら、少年漫画なのにやたら大人たちの生き様がカッコイイ
少年漫画というよりオッサン漫画ではなかろうか。
とかく、キャラクターを含めて無駄のないストーリーには感服。

【3位】ドラゴンボール

アクション描写世界一のバトル漫画金字塔!

人里離れた山奥で暮らしている野生少年・孫悟空。
西の都からやってきた科学少女・ブルマと出会い、7つ揃えたらどんな願いでも叶う「ドラゴンボール」を探す冒険の旅に出る。


画像は『DRAGON BALL カラー版 フリーザ編』7巻。読みやすいアクションが魅力。

いまなお世界中で絶大な人気を誇る少年ジャンプ作品の代表作。
トーナメントなどを通してひたすらに強敵との死闘を繰り広げる王道中の王道バトルが描かれる。

説明不要なくらいには有名な漫画かと思うが、その真の魅力は読みやすいアクション描写にある。
ごちゃごちゃ描き込まずに無駄を省き、さらにコマ割りや構図も読みやすさ最優先で構成されている。
そのためどんなバトルもスラスラ読める。

ここまで徹底的に読みやすく、且つスピード感と迫力があるバトル漫画はほかに見たことがない。
世界一上手いバトル漫画」と言っても過言ではないだろう。

ついでに言えば、鳥山明氏はキャラクターデザインやデフォルメ技術も抜きん出て上手い。
この人の絵はセンスの塊で心底感心する。

まぁデザイン云々は別にしても、バトル漫画が読みたいならまずコレだ

(カラー版は分かれていてややこしいが、この上から順に読んでいけばOK)

【4位】ナルト

忍者たちが己の信念をかけて戦うファンタジー忍術バトル!

少し前まで忍者たちが大きな戦争を行い殺しあっていた世界。
孤児の少年・ナルトは落ちこぼれの忍者で、そのうえ出生の秘密により大人たちから差別される悲惨な境遇にいた。
しかしナルトは諦めない心でまっすぐに成長し、その努力と行動で次第に周囲を認めさせてゆく。


画像は『ナルト』4巻。高い画力によるアクション描写が魅力のひとつ。

72巻も続いた長寿のファンタジー忍術バトル漫画。
忍者という設定と、かっこいいアクションシーンから、海外でも高い人気を誇った。

ストーリーもあれだけの長編に関わらず綺麗にまとまったが、何よりバトルが素晴らしい
作者の岸本斉史氏はこれがデビュー作にもかかわらず序盤から画力が高く、そしてアクション描写がとても上手い。
そのアクションの上手さを存分に活かしており、序盤から終盤まで名バトルの宝庫で、バトル漫画としては『ドラゴンボール』にも決して引けを取らない

また和風ファンタジーの作品はリアル寄りな刀剣アクションになりがちなところを、この漫画では忍術を魔法のように使い、ド派手なバトルに魅せている点も上手いと思う。

実に少年ジャンプらしさが良く出たバトル漫画で、『ドラゴンボール』の後継作と言っても過言ではない。

現在は続編の『ボルト』が連載中。

【5位】めぞん一刻

浪人生と美人管理人のアパートラブコメ金字塔!

古いアパート「一刻館」に住む浪人生・五代裕作と、騒がしい住人たち。
そこに美人管理人・音無響子がやって来たことで、五代の恋物語がはじまる。


画像は『めぞん一刻』1巻。アパートを舞台としたラブコメ。

巨匠・高橋留美子氏による青年誌でのラブコメ漫画。
数々のヒット作を生み出した高橋留美子氏の作品の中でも最高傑作として推す声が多いし、個人的にもそう思っている。

物語は浪人生の主人公が住むオンボロアパートに、年上の美人管理人がやって来ることから始まる。
主人公は管理人さんにひと目惚れするのだが、騒がしいアパートの住人たちに邪魔されてなかなか上手くいかない。
しかも管理人さんは夫を亡くした未亡人で、その夫のことを忘れられずにいる。
そんな「最大の恋敵は死人」という困難な恋愛模様が描かれる。

携帯電話がない時代だからこそできる主人公とヒロインのすれ違いと誤解から始まるお話が多く、それがとてももどかしさを感じる。
そのうえヒロインは嫉妬深い面倒な性格をしていて、それがより一層もどかしさを加速させる。
しかしそういった一歩間違えたら読者に嫌われそうな要素が絶妙なバランスで成立している。だから面白い。

またラブコメには珍しく終わり方も完璧
終盤怒涛の展開からの納得のラストなので、ラブコメが好きなら間違いなくオススメだ。

【6位】デスノート

名前を書いた相手を殺せる「死神のノート」を巡った天才同士の頭脳バトル・サスペンス!

とある死神が人間界に落とした、名前を書いた相手を好きなように操って殺せるノート。
それを拾った日本一の天才高校生・夜神月は、ノートを使って犯罪者を心臓麻痺で裁き、犯罪のない世の中を作ろうとする。
一方でその殺人を阻止しようと、誰も名前を知らない世界一の名探偵が動き出す。


画像は『DEATH NOTE』3巻。監視の目を欺くため、ポテチを食べるふりをしながら犯罪者を殺す有名なシーン。

世界的な社会現象にもなった頭脳戦サスペンス漫画
映画の出来も良かったが、原作の漫画も当然名作だ。

本作のルールは意外とシンプルで、主人公は殺人の証拠を掴まれたら負け。
それに対する探偵は、名前を知られたら負け。

この証拠と名前を巡る頭脳戦・心理戦の駆け引きがとても面白い。
そのうえ毎回ハラハラドキドキのテンポの良い展開が続いていくため、連載当時は毎週楽しみに読んでいた。
この大場つぐみ氏による1話ごとに計算された読者を飽きさせないストーリー構成には脱帽する。

そしてこの漫画の魅力は小畑健氏の美麗な画があってこそとも言える。
ストーリーも作画もどちらもハイクオリティでサスペンス漫画の傑作だ。

【7位】アイシールド21

凡人が天才に挑むジャンプ王道の熱血アメフト逆転劇!

悪魔的な頭脳を持つアメフト部の主将・ヒル魔に見出された、ズバ抜けた俊足を持つ気弱なパシリ少年・小早川瀬那。
瀬那は素人ながらも俊足を活かして試合で活躍し、選手として成長を遂げる。
そうして瀬那やヒル魔は仲間たちと全国大会決(クリスマスボウル)を目指していゆく。


画像は『アイシールド21』23巻。村田雄介氏の圧巻の画でアメフトが描かれる。

アメリカでは人気だけど日本ではマイナーなアメフトを題材とした少年ジャンプのスポーツ漫画。
『ヒカルの碁』と同じく「ルールがわからなくても面白い」作品なので、アメフトを知らない人にも自信を持ってオススメできる。

物語は全国大会決勝(クリスマスボウル)を狙う弱小アメフト部に素人の主人公が入部し、持ち前の俊足を活かして活躍する王道展開。
しかしながら主人公をはじめ、仲間たちは一芸に特化した凡人(と言っていいのかわからないが)ばかりで、凡人たちが天才を相手にどう立ち向かうのかという「凡人vs天才」の才能の壁がひとつのテーマとなっている。
そうした凡人たちの天才に対する葛藤のドラマが見所だ。

また少年ジャンプにしては珍しく、異能スポーツバトルではないリアル寄りの試合描写になっている。
しかしながらアメフトに実在する普通の技を、まるで必殺技かのような演出で魅せてくるため、上述したようにルールがわからなくても楽しめる。
稲垣理一郎氏と村田雄介氏のコンビはそこが上手い。

個人的に『スラムダンク』以降のジャンプスポーツ漫画の中ではこれが最も面白かった。
特に20巻~23巻は名試合で必見だ。

【8位】それでも町は廻っている

ノスタルジックな商店街のほんわか日常コメディ!

商店街のみんなに可愛がられているタヌキっぽい元気な女子高生・嵐山歩鳥。
その歩鳥と老婆のメイド喫茶を中心に、古き良き商店街でドタバタ活劇が繰り広げられる。


画像は『それでも町は廻っている』1巻。一昔前のノリを感じさせるコメディが多い。

文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞星雲賞を受賞した日常ミステリーSFコメディ漫画。
藤子・F・不二雄の継承者」と言われたりする石黒正数氏の代表作で、商店街のみんなに愛される愉快な女子高生を中心とした日常が描かれる。

1話1話の起承転結が丁寧で読みやすく面白いし、「こんな街で暮らしたい」と思える古き良き商店街の日常描写も魅力的。
リアルな高校生活を描いた漫画はちょくちょく見かけるけれど、この漫画はそれだけでなくリアルな小学生を描くのも上手い。
そういった描写がノスタルジーを加速させる。

また日常コメディのみならず、作者お得意のミステリーや、藤子・F・不二雄テイストな「すこしふしぎ」のSFも加わってくる。
そのうえ作中の時系列がシャッフルされる仕組みなため、読み直して時系列を理解すると新たな発見が出てくることもある。

1巻だけだとそこまでハマるほどではないのだけど、2巻3巻と続けて読むと、いつの間にかハマってしまう。
そして最後まで読むと、喪失感で切ない気持ちになってしまう。
そんな日常漫画の傑作だ。

【9位】岳

山の厳しさと素晴らしさを描いた心温まる山岳救助漫画!

北アルプスで暮らしながら山岳遭難救助の民間ボランティアを行う変わり者の青年・三歩。
山と山に来る人を愛する三歩は、いつも明るく元気に山を登りながら遭難者を救助する。


画像は『岳』5巻。遭難救助が間に合わない厳しい現実も描かれる。

マンガ大賞文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞などを受賞した山岳救助漫画。
登山モノではなく、登山者の遭難救助を通したドラマが描かれる。

主人公は山で暮らしながら山岳救助のボランティア活動をする山男。
そんな主人公が県警山岳遭難救助隊やほかのボランティア仲間と協力しながら、遭難者の救助を行っていく。

しかし遭難者は必ずしも助かるわけではなく、救助が間に合わず、無慈悲にリアルに死ぬ悲しい展開も多い。
だがそれでも、山が大好きで底抜けに明るく優しい主人公が、遭難者を「よくがんばった」と励まし、山の素晴らしさや、登山の楽しさを教えてくれる。
なので読んでいて暗い気持ちになるというよりむしろ優しい気持ちになれる

登山に興味がある人でもない人でも、ジワッと感動させられる名作だ。

【10位】コウノドリ

出産と命を描いた感激の産科医ドラマ!

医者とジャズピアニストを両立する産科医・鴻鳥サクラ。
日々命の危険と隣り合わせの出産に立ち会ってゆく。


画像は『コウノドリ』2巻。産科医でありながら有名なジャズピアニストでもある主人公。

出産を題材とした産科医漫画。
数ある医療漫画の中でもこれは特にオススメで、出産の知識を得るためにも男女問わず必読の書だ

主に出産に関するハイリスクなケースを扱っており、出産がいかに命がけで、危険と隣り合わせの行為かがよーくわかる。
これは出産をする女性だけでなく、父親になる男性も知っておくべきこと
読めば読むほど、母子ともに無事に出産を終えるのは幸運な奇跡なのだなと強く認識させられる。

またほかの多くの医療漫画とは違って、医者同士のドロドロとした院内政治などの人間関係が描かれないのも個人的にはオススメしやすい点。
純粋に医療エピソードに集中して読める。

くどいようだが男性も絶対に読んでおくべき内容だ。

【11位】ダイの大冒険

ドラクエ×少年ジャンプの傑作ファンタジー!

モンスターが暮らす平和な島で、モンスターたちに育てられた人間の少年・ダイ。
島を訪れた勇者育成の家庭教師・アバンに才能を認められ、勇者になるための特訓を開始する。
しかしかつて勇者に倒された魔王が復活し、ダイたちを襲撃して来ることに……。


画像は『ダイの大冒険』18巻。魔王軍との激しい戦いが描かれる。

少年ジャンプで連載されていたオリジナルストーリーのドラクエ漫画
「勇者が魔王を倒したその後の世界」を舞台に、次世代勇者一行の冒険が描かれる。

物語は勇者とその仲間たちが魔王軍と戦うという王道ファンタジーで、その冒険と戦いを通して主人公たちは成長していく。
中でも特に、主人公の親友にして魔法使いの少年・ポップの成長が熱い
編集部から「こいついらないから、早く殺せよ」と言われたほどのヘタレキャラが成長し、人間代表として魔王に立ち向かう姿は必見だ

また主人公側だけでなく、敵側の成長も描かれる。
最初は卑劣な敵も、主人公たちとの戦いを経て真っ当な武人へと成長し、ライバルとして立ちふさがってくる。
絵は少々古臭いけれど、そうした成長物語が上手いし面白い。

また長編ながらストーリーの完成度も高い。
個人的にジャンプバトル漫画では1・2を争う完成度の高さだと思う。

【12位】幽遊白書

喧嘩最強の中学生が妖怪と戦う格闘異能力バトル!

子供を助けて交通事故で死んだ不良中学生の少年・浦飯幽助。
その死は霊界の閻魔大王も予定外だったため、幽助は人間界で悪さをする妖怪を退治する霊界探偵として蘇ることになる。


画像は『幽遊白書』12巻。主要メンバーの4人。

現在『ハンターハンター』を連載している(?)冨樫義博氏のバトル漫画。

最初は1話完結のオカルトな人情物語としてスタートしたものの、3巻頃からバトル路線に変更
それからはジャンプお得意のトーナメント戦になったり、ジョジョ風の異能力バトルになったりしつつも、最後にはまたオカルトな日常に戻って終わった。
しかしどの展開を取っても名作で、全19巻とは思えない密度で面白い

子供の頃はバトル漫画として好きだったが、大人になってから読み返すと、ヒューマンドラマとしても名作だったことに気づかされる。
冨樫氏の凄いところは、少年漫画の熱いバトルを描けて、なおかつ大人向けの青年漫画的なドラマを描けるところにあるのではないかと思う。

そういった点でも、本作は冨樫氏の才能が存分に出た名作だ。

【13位】北斗の拳

核で荒廃した世界を拳ひとつで生き抜くバイオレンス・アクション!

核戦争で文明が崩壊し、弱肉強食の世界となった世紀末。
一子相伝の暗殺拳「北斗神拳」の伝承者・ケンシロウは、奪われた恋人のユリアを取り戻すため旅をする。


画像は『北斗の拳』9巻。漢たちの命を賭した闘いが魅力。

お前はもう死んでいる」の決め台詞で一世を風靡した格闘バトル漫画。
少年ジャンプで3年間にわたり1位を維持し続けた記録を持つ、80年代を代表する作品のひとつだ。

物語の世界観は『マッドマックス2』のように文明が崩壊し、秩序を失ったポスト・アポカリプス。
そんな暴力がすべてを支配する荒廃した世の中で、最強の「北斗神拳」を使う主人公の戦いにつぐ戦いの旅を通して、漢たちのハードボイルドな生き様・散り際が描かれる。

少年誌とは思えないくらい、みんな文字通り命を賭けて戦うし、その結果死んでいく。
主要人物でも驚くほどポンポン死ぬので悲しいけど、それがあるからこそ、いつまでも心に残る名作になっている。

またこの頃の少年ジャンプ漫画は伏線とか設定の整合性とか細かいことは気にせずに、とにかく1話ごとの盛り上がりを重視して、その場の勢いで描き上げられていたのも特徴だろうか。
なので冷静に読むと色々とツッコミどころはあるのだが、その反面、1話1話の内容がとても濃い。

そういった時代だからこそ生まれた熱い漫画とも言える。

スピンオフギャグ漫画の『北斗の拳 イチゴ味』も好評。

【14位】金田一少年の事件簿

IQ180の高校生が難事件を解決するミステリー漫画の金字塔!

名探偵・金田一耕助の血を引く高校生の少年・金田一一。
幼なじみの頼みで演劇部の合宿に参加するが、合宿先の孤島のホテル「オペラ座館」では恐ろしい事件が待ちかまえていた。


画像は『金田一少年の事件簿』1巻。孤島で起きた殺人事件に挑む金田一少年。

少年誌で推理漫画ブームを生み出した「推理漫画の金字塔」とも言うべき名作。
普段はダメ人間だけど、事件のときだけ天才的な頭脳を発揮するIQ180の高校生が、数々の難事件に巻き込まれつつも、それらを解決に導いていく。

推理漫画だと、本作のヒットを受けて登場した『名探偵コナン』も有名だろう。
比較すると、コナンは小学生向けの軽めなストーリーが多いのに対して、金田一少年は復讐目的の犯人による悲劇的でドラマチックな内容が多い。

恋人や家族を失い、復讐のために犯行に及ぶ犯人。
その動機や想いにはついつい感情移入をさせられてしまうが、そういった犯人を含めたドラマが上手いと思う。

コナンとどちらが良いかは好みの問題だが、個人的には金田一少年のほうが子供も大人も楽しめてオススメだ。

以下は現在連載中の作品。

【15位】GANTZ

死人が異星人と戦わされるデスゲーム・SFアクション!

地下鉄のホームではねられた高校生の玄野と加藤は、死んだ直後に謎のマンションの一室に転送させられる。
そこでは同じように死んだ人たちが集められ、謎の黒い玉に武器とスーツを渡されて異星人と戦うよう指示される。


画像は『GANTZ』21巻。死んだ人たちが部屋に集められ、謎の黒い玉に異星人討伐を指示される。

CGによって制作される「3D漫画」で知られる奥浩哉氏の代表作となるSFデスゲーム。

不幸な事故で死んだ一般人たちが再生されて集められ、武器の銃と防具のスーツを与えられて、地球に隠れ住む異星人の討伐ミッションに強制参加させられる。

異星人には強さに応じてポイントが設定されており、ミッションクリア時にそのポイントが100ポイント貯まると、「記憶を消されてゲームから解放」「死んだ仲間を蘇生」「強力な武器を入手」の3つからいずれか1つを選択できる。

100ポイント貯まるまで何度でもミッションに参加させられるし、貯まった後も必ずしも解放を選択することにはならない。
こういったゲーム的設定と選択肢がこの漫画の面白いところ。

また主要キャラクターであっても遠慮容赦なくあっさり無慈悲に殺されてしまうので、ストーリーが予想できず、スリリングな展開に気が抜けない。

だからといってただ残酷なデスゲームというだけでもなく、見知らぬ他人同士で生き残るために協力し、友情・努力・勝利で勝ち抜いていくジャンプっぽい熱い展開も見所だ。

デスゲーム系の漫画では文句なしでこれが最高傑作。

【16位】シグルイ

刀に狂った漢たちの剣豪時代劇!

江戸時代初頭。隻腕の剣士と盲目の剣士が、駿河城内の御前試合で真剣を用いて斬り結ぶ。
隻腕や盲目になりながらも戦うこのふたりには一体何があったのか、その因縁の過去が語られる。


画像は『シグルイ』9巻。2人の剣鬼の因縁の戦いが物語の中心。

元ネタは小説の『駿河城御前試合』。
しかし小説の内容はあまり関係なく、それに登場する隻腕の剣士と盲目の剣士の過去を中心に描いた、ほとんどオリジナルのストーリーとなっている。

この漫画は残酷な描写と濃すぎる絵柄で、かなーり読み手を選ぶ。

だが迫真の表現で描かれる壮絶で狂気で凄惨すぎる剣士たちの闘いと生き様は、一度読むと忘れることができない。
そして最後まで一気に読んでしまう魅力がある。

物凄く癖が強いけど、漫画としてはとても面白い。

【17位】ジョジョの奇妙な冒険(完結は7部まで)

心理戦×異能力バトルの金字塔!

イギリス貴族のジョースター家。
そのジョースター一族と宿敵の吸血鬼・ディオの、100年に亘る世代を超えた戦いが繰り広げられる。


画像は『ジョジョの奇妙な冒険』第5部。個人的にストーリーは5部が一番良かったと思う。

30年以上連載が続いている長寿のバトル漫画シリーズ。
3部から始まる頭脳戦・心理戦を交えた異能力バトルと、印象に残る独特の台詞回しで、その後の多くの作品に多大な影響を与えた。

現在8部が連載中だが、ストーリーは部ごとにほとんど独立しているため、7部までは完結した作品として読める。
かなりの長編シリーズなので全部を読むのは大変という人には、3部、4部、5部、7部をオススメする

3部は本作の代名詞とも言える異能力「スタンド」が初登場する回。
個人的にジョジョは1部の時点では打ち切られてもおかしくない漫画で、3部で異能力バトルが始まってから名作になったと思う。

4部は日本の街を舞台とした日常バトル
能力を悪用する殺人者から街を守るための戦いや、能力者たちの日常が描かれる。

5部はイタリアが舞台のマフィア同士の抗争バトル
覚悟を決めた漢たちの息をつかせぬ命がけの戦いの連続で、テンポの良いスリリングな展開になっている。個人的に一番好き。

そして7部は19世紀後半のアメリカを舞台とした、壮大な大陸横断の乗馬レース大会バトル
1部~6部までの一連のストーリーがリセットされているため、ジョジョシリーズをはじめて読む人でも楽しみやすい。

(完結は7部まで)

【18位】グラップラー刃牙

最強を決める地下闘技場の異種格闘技バトル!

高校生にして地下闘技場のチャンピオンに君臨する少年・範馬刃牙。
「地上最強の生物」と謳われる父親・範馬勇次郎を倒すため、刃牙は強者と闘い最強を追い求める。


画像は『グラップラー刃牙』1巻。試合直前に食事をする有名なシーン。

格闘技漫画と言えばコレ」というくらいには有名な異種格闘技漫画。
空手、柔道、合気道、ボクシング、レスリングなどなど、様々な格闘技のトップファイターたちによる、地上最強を決める熱き闘いが描かれる。

いまでこそネタ漫画扱いされているが、この初期シリーズの『グラップラー刃牙』の頃は真面目な内容だった。
地下闘技場で最年少チャンピオンに君臨する主人公の試合に始まり、そこに至るまでの幼年期の闘い、そして最強を決めるトーナメントが展開されていく。

特に9巻あたりから始まる幼年編とその後のトーナメント編が面白い
どこを切り取っても名勝負だらけで、主人公以外の闘いも熱すぎる。

格闘漫画が好きな人なら読んでおくべき名作だ。

外伝も名作なのでオススメ。

またその後もシリーズが続いているので掲載しておく。
個人的に『バキ』の途中までは名作が続いていると思う。

【19位】嘘喰い

高度な頭脳戦が熱いギャンブル漫画の最高峰!

「嘘喰い」の異名を持つ伝説のギャンブラー斑目貘。
貘はあらゆる賭博を取り仕切る秘密組織「賭郎」の長・お屋形様の座を奪い取るため、命がけのギャンブルに身を投じる。


画像は『嘘喰い』40巻。水中で空気を賭けてルール不明のポーカーをルールを推測しながら行う「エアポーカー」のゲーム。

天才ギャンブラーが仲間たちと協力して命がけのギャンブルを勝ち抜いていくギャンブル漫画。

毎回毎回よくこんなゲームを思いつくなーと感心するくらい、主にオリジナルのゲームを用いて高度な頭脳戦の駆け引きが繰り広げられていく。
この作者は間違いなく漫画家の中で抜きんでて頭がいい。

そのうえこの漫画はギャンブルに勝ってはい終わりではなく、その後に(あるいはその前に)激しい格闘バトルが巻き起こる。
このバトルがこれまた熱く、どちらが本編かわからなくなるくらい力が入ったアクションが描写されていく。

また登場人物たちもひとりひとりが魅力的。
そしてそれらがトップクラスの美麗な画で描かれていく。

ストーリーもキャラクターもギャンブルもアクションも画力も、いずれもが一級品というパーフェクト。

【20位】JIN

江戸時代にタイムスリップした医者が現代医療技術で人々を救い出す!

東都大学附属病院に勤める脳外科医・南方仁は、幕末の1862年にタイムスリップしてしまう。
電気も消毒薬も抗生物質もない世界で、医師南方仁の戦いが始まる。


画像は『JIN』2巻。江戸時代でコレラに立ち向かう主人公。

手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した医療漫画。

昨今流行の異世界作品風に紹介するなら、異世界転移した医者の主人公が、文明の劣る世界で現代医療無双をするお話といったところか。
まぁこの作品は異世界ではなく江戸時代にタイムスリップするお話なのだけど。

主人公は十分な医療環境にない江戸時代で悪戦苦闘しながら、それでも怪我や病から一人でも多くを救おうと奮闘していく。
その主人公が現代医療技術を用いて活躍する様が爽快で、また現代医療技術の凄さにも感心する。

幕末当時の江戸を中心とした文化や社会事情を交えながらストーリーが展開されていくため、そうした歴史を学べる作品としてもオススメだ。

医療漫画としても歴史漫画としても異世界漫画(?)としても名作。

【21位】もやしもん

農大の楽しい菌類青春コメディ!

肉眼で菌が見える不思議な力を持った農大新入生・沢木惣右衛門直保。
農大の変人教授や研究室の仲間たちと共に、祭り好きな大学でキャンパスライフを送りながら菌について学んでゆく。


画像は『もやしもん』12巻。酒造りのうんちくを語る菌たち。

手塚治虫文化賞マンガ大賞や星雲賞などなどを受賞した農大菌類漫画。

なぜか肉眼で菌が見えてしまう新入生を主役とした楽しい大学生活物語でありながら、菌や食について学べる優れた学習漫画でもある。
ついでにお酒中心のグルメ漫画としても楽しめる。

祭り好きな大学で、ノリのいい先輩たちと馬鹿騒ぎをする。
こんな大学生活を送ってみたかったと読んでいてほんと思えてくる。

そして菌については、可愛くコミカルな菌たちを交えながら解説されていく。
特に日本酒だとかワインだとかビールだとかのお酒の話題が多いため、酒好きだとより一層楽しく読めることだろう。

特に学習漫画としてはこれ以上ない傑作なので、学生にも大人にもオススメ。

【22位】ピアノの森

天才少年の活躍を描いた感動のクラシックピアノ漫画!

森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりに育った貧乏な少年・一之瀬海。
海は世界的なピアニストの父親をもつ同級生・雨宮修平や、怪我で引退した天才ピアニスト・阿字野壮介に才能を見出され、ピアニストとして挑戦することになる。


画像は『ピアノの森』2巻。ピアノを奏でる主人公。

文化庁メディア芸術祭マンガ部門の大賞を受賞したクラシック音楽漫画。

主人公は森に捨てられたピアノを独学で弾いて育った天才少年。
貧しい劣悪な環境で育てられながらも、怪我で引退した不遇の天才ピアニストに見出されて才能を開花する。

そしてやがて世界へと羽ばたき、コンクールでライバルたちと熱い戦いを繰り広げていく。

と書いていて思ったけれど、これはスポーツ漫画の王道ストーリーなわけか。
しかしそれが音楽漫画でとなると意外と珍しいのかもしれない。

最初から最後まで盛り上がる展開だったし、そのうえ最後のオチもとても良かった。
これは思わずにっこりしながら泣いてしまう。

【23位】封神演義

中国の古典小説をもとにした壮大なSF歴史ファンタジーバトル!

紀元前11世紀の古代中国・殷の末期。
殷の皇帝・紂王は仙女・妲己の術により魅了され、操り人形と化していた。
仙界の道士・太公望は、悪しき仙人・道士を封印する「封神計画」の任務を受け、殷で暴虐の限りを尽くす妲己と対立する。


画像は『封神演義』20巻。「宝貝」という仙界の道具を用いて戦う。

中国の古典小説「封神演義」を少年漫画らしい異能力バトルにアレンジした藤崎竜氏の出世作。

ストーリーはひとつの時代の終焉と新たな時代の始まりを描いた、中国らしいスケールの大きさを感じさせる大河ファンタジー。
さらにそれにSF的な解釈を加えて、より壮大な世界観に仕上げている。

また少年漫画なだけに、仙人たちの能力バトルも激しい。
「宝貝」という仙界の道具を使って、各々が個性的な能力を発揮してくる。

バトルでは敵だけでなく味方も大量に死にまくるし、そもそもバトル関係なく人が死にまくるが、主人公の軽い性格とコミカルなギャグにより、あまり暗くは感じさせない読みやすさになっている。
そこはさすがフジリュー氏。

そして少年ジャンプとしては大変珍しく、伏線がキレーに回収されてストーリーが完璧にまとまっている。そういった点でもオススメ。

【24位】ブリーチ

オシャレでスタイリッシュな死神バトル!

幽霊の見える高校生・黒崎一護は、自らを死神と名乗る少女と遭遇し、同時に「虚」と呼ばれる悪霊に襲われる。
家族を守るために死神になってしまった一護は、それから虚と戦う日々を送ることになる。


画像は『BLEACH』13巻。味方も敵もカッコイイデザインのキャラが多い。

『ワンピース』『ナルト』と並び評された少年ジャンプの代表作。

とにかく作者の天才的なセンスがあふれ出ている漫画で、キャラクターもセリフもバトルもオシャレでスタイリッシュ。
中盤頃から登場する必殺技の「卍解」などは、少年ジャンプ史上でも1・2を争うかっこ良さだと思う。

もちろんただオシャレなだけでなく、バトル漫画としても王道で面白い。
特に7巻~20巻のストーリーは高く評価されているし、個人的にもオススメ。

成田良悟氏による小説版もオススメ。
本編では放り投げだった設定を補完している。

【25位】ドロヘドロ

バイオレンスでグロテスクな魔法ファンタジー!

魔法で頭を爬虫類にされた記憶喪失の男・カイマン。
カイマンは餃子屋の友人・ニカイドウと共に、自身の謎を解くため魔法使いを狩り続ける。


画像は『ドロヘドロ』1巻。1ページ目から衝撃的な展開ではじまる。

独特のバイオレンスな魔法世界を描いたダークファンタジー漫画。
グロテスクでハードコアな作風のため物凄く万人ウケしない作品だが、芸術的な画と個性的な世界観でコアなファンも多い。

魔法を使えない人間たちが暮らし、魔法使いたちの実験場にされて荒廃した現代世界。
そして体内で生成された「ケムリ」を用いて魔法を使う魔法使いが暮らす異世界。
この2つの世界を行き来しながら、何者かによりトカゲ頭にされた記憶喪失の主人公の謎を追っていく物語が描かれる。

魔法使いにより荒廃させられた現代世界も、また魔法使い(や悪魔たち)が暮らす世界も、どちらも魅力的な世界観。
暴力的な絵やアクションもあわさって、ほかでは見れない唯一無二なファンタジー漫画になっている。

しょっぱなから衝撃的な展開でスタートすることもあり、個人的に強く印象に残った作品だった。

【26位】無限の住人

不死の剣豪の戦いを描いた時代劇アクション!

父を殺し、母を攫った剣客集団「逸刀流」に復讐を誓う少女・浅野凜。
凜は「百人斬り」の異名を持ち、不死の肉体を持つ剣士・万次を用心棒として雇い、逸刀流の統主である宿敵・天津影久を追う旅を始める。


画像は『無限の住人』2巻。沙村広明氏の絵も魅力のひとつ。

文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞や、海外のアイズナー賞最優秀国際作品部門を受賞した時代劇アクション漫画。
特に沙村広明氏による独特のタッチの繊細な画がアーティスティックな作品だ。

物語の舞台は江戸時代。
なんだかんだで不老不死になってしまった侍の主人公が、剣客集団に両親を殺された娘に雇われ、壮絶な復讐の旅を手助けしていく。

とまぁ、当初は1対1で戦うシンプルな復讐劇だったものの、途中から敵側のドラマもガッツリ描かれ、さらには新たな勢力も登場し、次第に様々な思惑の剣士たちが入り乱れる群像劇となる。
例えるなら魔王側にも正義があって、それがもうひとりの主人公として描かれるような感じだろうか。
登場する剣士たちの生き様が魅力的で、どの勢力も応援したくなってくる。

またグロというかリョナというか、少年誌では絶対に描けないアブノーマルな残虐描写が多いのも特徴的。
そこはかなり好みが分かれるところかと思うが、しかしそういった描写があるからこそ、残酷で魅力的な物語になっているのではないかと思う。

【27位】へうげもの

芸術視点で描かれる数奇な戦国時代!

群雄割拠、下剋上の戦国時代。
織田信長に仕える古田左介(古田織部)は立身出世を目指しながらも、茶の湯と物欲に魂を奪われる。


画像は『へうげもの』1巻。芸術に対する主人公のオーバーリアクションも面白い。

手塚治虫文化賞マンガ大賞やメディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した歴史漫画。
戦国時代が題材でも、茶道などの芸術方面をメインに置いた変わった作品だ。

主人公は戦国武将でありながら、後の世に茶人として名を残した古田織部。
あまり知られていないマイナー武将かと思うが、織田信長や豊臣秀吉に仕えると同時に、茶人で名高い千利休に弟子入りした人物である。
その武将兼茶人の古田織部の生涯を通して、茶道や茶器、美術や建築などにスポットライトを当てた戦国時代が描かれる。

ユニークかつコミカルな作風で、ほかのどの戦国時代漫画とも違う味を出している。
戦国時代漫画を読みなれている人でもまた違った感動があるはずだし、そしてギャグテイストなので戦国時代漫画をはじめて読む人にも読みやすいかと思う。

【28位】ベイビーステップ

優等生がノートで戦う戦術テニス漫画!

高校からテニスを始めた生真面目な優等生の丸尾栄一郎。
身体能力がない丸尾は、生真面目な反復練習によるコントロールと、不屈のメンタル、そしてノートを用いた戦術を武器に強敵と戦っていく。


画像は『ベイビーステップ』3巻。コントロールとカバーリングで戦う主人公。

少年漫画にしては珍しく、戦術に重点を置いたリアル志向のテニス漫画。

主人公はノートを使って情報収集をし、その情報をもとに戦術を組み立てて戦っていく。
試合中だろうと合間にノートをとる主人公に周囲は驚くが、その情報で対戦相手を徐々に追い詰めて勝利をもぎ取っていく様が爽快。

少年漫画にしては負けまくりで、必ずしも順風満帆とはいかない道のりではあるものの、応援したくなる魅力がある主人公なので読んでいて楽しい。

少年スポーツ漫画としては地味すぎて大きな話題にはなっていないのだけど、ジワジワ面白くなっていくので個人的には好き。

【29位】五等分の花嫁

五つ子のうち誰を選ぶかを読者が推理する恋愛ミステリー!

貧乏な生活を送る高校生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。
ところが教え子はなんと同級生で、しかも五つ子だった。


画像は『五等分の花嫁』1巻。容姿がソックリな5姉妹。

ミステリー要素を前面に出した点が珍しいラブコメ漫画。

容姿がそっくりな五つ子のヒロインのうち、誰か一人と主人公が結婚する結末が最初に提示される。
その花嫁が誰かを、主人公の回想を通じて読者が推理していくミステリー的な構成になっている。

そして最初から結末が決まっているからか、恋愛漫画に(というか人気漫画に)よくある引き伸ばしが一切なく、非常にテンポよくストーリーが進んでいく。
推理要素とあわさって後半まで飽きずに読めた。

また主人公の性格がいいのも読みやすい点。
恋愛漫画の主人公は不快感を持たれやすい性格をしていることが多いように思うが、この主人公は珍しく不快感を感じない、むしろ応援したくなるタイプだ。

さらに絵も綺麗で、少なくとも12巻までは少年ラブコメ漫画の教科書に載せたいくらい完璧な出来と言える。

【30位】こち亀

少年ジャンプで40年間連載された巻数ギネス記録の警察ギャグ漫画!

東京都葛飾区にある亀有公園前派出所に勤務する警察官の両津勘吉。
警察官として型破りな両津は、毎日街で様々な問題を巻き起こしてゆく。


画像は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』1巻。初期の頃は劇画的だった。中川が普通にイケメン。

少年ジャンプで40年間にわたり連載され、最終的には200巻で完結し、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定された偉大な漫画。

趣味や時事ネタを交えながら1話完結していくギャグ漫画になっており、いつどの巻から読んでも安定して面白いのが凄い。

200巻もの大ボリュームなため、漫画を大人買いしたい衝動に駆られたら、これを購入しておけば満たされるのではないかと思う。

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