アニメをきっかけに一大ブームとなり、累計発行部数が6000万部を超える週刊少年ジャンプの人気漫画となった『鬼滅の刃』。その作品が人気絶頂の中、引き伸ばされることなく綺麗に完結したことが話題になっている。
「鬼滅の刃」が、人気絶頂の中、掲載継続という圧力もあったんじゃないかと思うのだけれども、きちんと最終回を迎えられたことは、作者の吾峠呼世晴さん、そしてジャンプ編集部のすぐれたご判断だと思う。おつかれさまでした!
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) May 17, 2020
こちらは「アハ体験」で知られる茂木健一郎氏のツイート。引き伸ばしで有名な週刊少年ジャンプなのに引き延ばされなかったことについて、ほかにも同様のツイートを多く見かける。
ジャンプ編集部といえば、17巻での「もうちょっとだけ続くんじゃ」からその後42巻まで続いた『ドラゴンボール』や、16巻でラオウを倒して終わりかと思いきや27巻まで続いた『北斗の拳』などの例があり、「ジャンプの人気作=引き伸ばされる」という印象が強い。
72巻まで続いた『NARUTO』や、74巻まで続いた『BLEACH』も、引き伸ばされたためなのかは分からないが、長々と続いたことで終盤失速したことは記憶に新しい。いやもう古いのかな?
それはさておき『鬼滅の刃』の場合、引き伸ばされなかったのは人気が出たのが遅かったからだと思われる。
ブームになってから読み始めた人には想像も付かないかもしれないが、実は『鬼滅の刃』はアニメ化前はそこまで人気作というわけではなかった。
2019年3月のアニメ放送手前の頃は、14巻で累計450万部。決して少ない発行部数ではないが、それでも天下の週刊少年ジャンプでは中堅レベルの人気でしかなかった。
先日アニメ化が発表された『呪術廻戦』が10巻までで累計450万部だが、『鬼滅の刃』は14巻まででその発行部数なので、いまの『呪術廻戦』未満の人気度だったわけだ。
そのためジャンプ編集部としては、『鬼滅の刃』は無理に引き伸ばすほどの作品ではなかったと思われる。
しかしアニメがはじまってから『鬼滅の刃』は一気に火が付いた。それについてはアニメスタッフの頑張りが凄かったことや、雑誌からではなくアニメから漫画に入る人が増えたこと、SNSで話題になったことなどが原因かと思われるが、その理由がなんであれ一躍ジャンプの看板漫画に跳躍した。
・・・・・・のだが、そのころには『鬼滅の刃』はすでに最終章に突入していた。だから引き延ばしが難しかったのだろう。
もう少し早くに人気が出ていれば、引き伸ばされた可能性は高かったのではなかろうか。
もっとも、いままでも人気作だからといって必ずしも引き伸ばされたわけではなく、過去にも人気絶頂の中終わらせた『SLAM DUNK』や『幽☆遊☆白書』、当初の予定通り108話で完結した『DEATH NOTE』といった例はある。
また本編はきっちり綺麗にまとめて完結し、その後に本編後のオマケを描いた『ヒカルの碁』という作品もある。
たまに終わり方が唐突だとか打ち切りだとか言われることもある「北斗杯編」だが、あれはあくまでも本編後のオマケで、いわば外伝のようなものだ。
ジャンプ編集部だけでなく、囲碁界からも連載の要望が強かったために描かれたと記憶している。
『鬼滅の刃』もスピンオフという形で連載がもう少し続くそうだが、とりあえず本編を完結させてその後に外伝を描くという手法は、編集部にとっても読者にとっても悪くないやり方だと思う。
『鬼滅の刃』でそれがうまくいけば、今後もそういった作品は増えるのではないだろうか。
ちなみに『鬼滅の刃』の最新21巻は7月3日発売となっている。
Kindle版の予約も開始している。
と宣伝して締める。
コメント
SLAMDUNKは編集部と揉めて
もう少し勝ち進む予定を変更して
終了した。